(株)猿江ガラス~ガラス作品を通して伝えたい

インタビューに応じてくれたのは…
日本装飾美術学校 ものづくりデザイン科ガラス専攻卒業(2011年)
  (株)猿江ガラス 入社3年目 兒島 佳祐 さん

日本装飾美術学校にてガラス制作を学び、現在は(株)猿江ガラスで勤務する傍ら個人のガラス制作にも精を出す、ガラス作家の兒島さん。

今回は現在開催中の、兒島さんが働き始めて、初めて出展したという展示会にお伺いさせていただき、お話を聞かせてもらいました。

 

Q.ガラス制作を始めたきっかけは何ですか?

子供のころから、ものづくりが好きでした。

昔は特につくる物にこだわりがあった訳ではなく「ものを作る」ということが好きだったのですが、高校2年のちょうど進路を考えていた頃に、テレビ番組でガラス作家さんが作品を制作している場面を見て、ガラスの魅力を感じたのがきっかけです。

特殊な世界なので、周囲の理解もなかなか得られませんでしたが「やれるところまでやってみよう!」という強い心意気で、専門学校への進学も決意しました。



glass01

 

Q.現在の活動について教えてください。

ガラスを専門に扱う会社での業務に携わりながら、休み時間はほぼ毎日、個人の作品制作やそのための練習に時間を費やしています。

制作にまとまった時間が必要な作品のときは、休みの日に会社の工房を借りて制作したりもします。
そうやって日頃の練習や実験を重ねて完成した作品は、今回のように展示会で発表、販売をします。

まだまだこの世界に入って日が浅いので、これまでにあまり展示会が開催できていませんが、これからどんどん腕を上げて、展示会ももっと企画、開催できればいいなと思っています。

 

Q.今回の展示会のコンセプトや作品への思いを聞かせてください。

ギャラリーに共同で展示している他の仲間とも話し合い、「色づかい」を生かした作品をコンセプトに展示しています。同じ色の原料を使用しても、微妙な量の違いで完成した作品の色が異なってきます。

色や模様のもととなるガラス素材も、自分たちで作るんですよ。
デザインによっては1,2時間かかるものもあり、それだけ時間と労力を使って作られた作品には、ひとつひとつに作家の心がこもっています。

今回は僕が半年ほどアイデアを温めて改良を重ねた「フラワー」という小鉢も展示しています。
思い入れの強い作品です。



glass02

 

Q.就活の際に大事にしたことは何ですか?

やはり個人制作の時間がとれることが条件になりました。
そしてさらには、日常の業務においても自分で考えて制作することができて、自身の作家としての成長につながる会社がいいなと思い、就職活動を進めました。

しかし、求人自体が少ない世界なのでなかなか苦労をしました。
それでも諦めず、現在の会社に出会うことができ、今は自身の技術を少しずつでも着実に上げていくことができています。

これから就活される皆さんも、自分の力を信じて活動を続けられることを願っています。

 

Q.今後の夢は何ですか?

大きな夢としては、将来的に自分の工房をもつことです。
そこに辿り着くために必要なことに、いま目の前の課題として取り組んでいきたいです。

地道に個人制作を続けて知識や技術を上げること、そして兒島佳祐という一人のガラス作家としての知名度を上げていくために展示会はコンスタントに開いていきたいですね。
やはり作家として、ガラスの魅力をもっと一般の方々に伝えていくことは義務だと思っています。

作家の思いが詰まった作品を実際に手に取って、ガラスの重みや手触りを感じていただき、ガラスならではの良さを多くの人に知ってもらいたいです!


glass03

■■■■■■ ギャラリー&アトリエ美恵夢 ■■■■■■
「はじめの一歩展」
出展作家*大東健太 兒島佳祐 瀧本ハルナ 山崎友香
2014年6月19日(木)-6月25日(水)
12:00~18:00 ※最終日 17:00

〒211-0006
神奈川県川崎市中原区丸子通1丁目617-11 リベラ新丸子1F
Tel:044-433-5330
http://www.b-em.com

またギャラリー&アトリエ美恵夢では貸しギャラリーも行っております。
詳細はお問い合わせください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

インタビューを終えて

高校時代にガラスの道に進むという一大決心をされて、現在も大きな夢に向かって努力を続けられている、ガラスへの熱意に心を打たれました。

大量生産による安価な食器とは異なり、ガラス作家さんが丹精込めて作り上げた作品は、どれも独特な風合いをもち輝いていました。
また、兒島さんからガラスの魅力を聞いて私自身、ガラスの見方が変わりました。
これまで小物食器をメインに制作されてきた兒島さんですが、今後は花瓶等の大きめな実用品も制作していきたいという意欲もお持ちのようです。
進化を続ける兒島さんの作品、これからも展示会の際には拝見させていただきたいなと思います。

兒島さんの今後の更なるご活躍を期待しています!

会社を代表するクリエイター紹介一覧へ戻る