2014.11.29

クリエイターの卵が産む”泣ける乙女ゲーム”新鮮鶏卵

インタビューに応じてくれたのは…
多摩美術大学 2年 新鮮鶏卵

今回は多摩美術大学のゲーム制作団体 新鮮鶏卵の方々にお会いしてきました!
新鮮鶏卵は、多摩美術大学グラフィックデザイン学科、情報デザイン学科、版画科の学生で恋愛シミュレーションゲーム「Aster Tarian」、「アート☆すくらんぶるっ♪」を制作している団体です。
今回は代表の坂口歌菜子さん、アートディレクターの飯田理沙さんにお話を伺いました。
 

Q.新鮮鶏卵を立ち上げたきっかけを教えてください。

坂口「美大に入学したこともあり、大学生の間に何かをカタチにしたいという思いがありました。また、利益を考えずに自分の好きなものを好きなだけつくることができるのは、学生のうちだけだと思っていたので、昔から好きだった、恋愛シミュレーションゲームの制作をしようと、昨年の夏から企画を練り上げ、今年の春から本格始動しました。私たちは、クリエイターとしてまだ踏み出したばかりの新鮮で未熟な卵である、という意味を込めて、『新鮮鶏卵』という名前をつけました。」
 

Q.現在制作しているゲーム「Aster Tarian」について教えてください。

坂口「これまで、多摩美術大学では、様々な団体が恋愛シミュレーションゲーム、いわゆる”乙女ゲーム”を制作してきました。これらはほのぼのとした雰囲気でコメディ調の面白いものが多かったのですが、私はこれまでの多摩美乙女ゲームとは一味違うものをつくってみたい!とずっと思っていました。もともと、中学生くらいから乙女ゲームのファンなのですが、この種のゲームは、人々の人生に深いところまで入り込み、様々なドラマを見せてくれます。そのため、乙女ゲームの醍醐味でもある、人の人生を通じて、もっといろいろなことを考えさせられるようなストーリーにしたいと思い、”泣ける乙女ゲーム”をテーマに制作に取り掛かりました。山に囲まれた小さな田舎町を舞台に、主人公・遠藤清花が繰り広げるというストーリーで、2015年の芸術祭での販売を目指しています。」


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Q.この活動を通じて得たものは何ですか?

飯田「私は商業作家としても、様々なものを手掛けた経験がありますが、商業作家は1人きりで作業するため、面白い反面、多少の孤独も感じていました。そのため、新鮮鶏卵として、坂口さんや他の仲間と共に1つのものをつくり上げていけるのは、メンバー同士仲が良いということもあって、楽しさや達成感もひとしおです。」

坂口「私は今回、代表としてゲーム制作全体の統括をしていくなかで、振り分けたデザイン等の仕事について、自分のイメージと実際に出来上がったものが異なった時の、落としどころの見極めが大事だと感じています。また、毎日作品に触れることによって、新しいアイディアや修正点を見つけることもできるので、常に作品と触れる時間をつくっています。」


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Q.今後の目標、完成に向けての意気込みを教えてください。

坂口「ここに至るまで飯田さんをはじめ、たくさんの人に支えられながら、ゲームを制作してきました。これから製品版の完成に向けて、死に物狂いで頑張りたいと思います。また、”自分が大人になるためのゲーム”という『Aster Tarian』もう1つのコンセプトのように、クリエイターである私も、プレイした人自身も一皮むけるような作品に仕上げたいと思っています。」

飯田「普段からあまりゲームをしない方でしたが、今回の活動を通してゲームをつくることもゲーム自体も、とにかく楽しいという思いでいっぱいです。最高の作品が皆さんにお届けできるよう、これからも締め切り厳守で作品をつくり上げたいと思います!」

 

インタビューを終えて

ゲーム制作はデザインやストーリー、プログラミングとたくさんのプロセスを踏むため、とても大変な作業に見えますが、新鮮鶏卵はメンバー同士の仲が良く、特に代表の坂口さんとアートディレクターの飯田さんは、「大人になったら、また一緒に仕事がしたい!」と語り合うほどの信頼関係を築き、ゲーム制作を心から楽しんでいるようでした。
こうしたコミュニケーションと信頼が、最高の作品につながるのだなと、お話を聞いていて感じました。

今回インタビューにご協力いただきました坂口さん、飯田さんありがとうございました。
ゲームの完成に向けて、みなさんで頑張ってください!製品版を私も楽しみにしています!!

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