2014.11.17

仲間との絆を旋律にのせて

インタビューに応じてくれたのは…
武蔵野美術大学、多摩美術大学、東京造形大学、女子美術大学、
       女子美術大学短期大学部 東京五美術大学管弦楽団

今回は、東京五美術大学管弦楽団の方々にお話を伺って来ました!
東京五美術大学管弦楽団、通称『ゴビカン』は1979年に結成された歴史ある楽団で、武蔵野美術大学、多摩美術大学、東京造形大学、女子美術大学、女子美術大学短期大学部の5つの美術大学の学生を中心に構成された学生管弦楽団です。
インタビューに応じていただいたのは、団長の寺嶋さんを含む4名の皆さんです。
 

Q.入団のきっかけを教えてください。

これまでに楽器の経験がある人が、ブランクを経てまた音楽をやりたいなという気持ちを抱き、入団に至るケースが多いです。特に管楽器のメンバーは、多くが中高の吹奏楽部出身者ですね。しかし、だからと言ってメンバーに初心者がいないわけではありません。団員のうち、約3分の1ものメンバーが、楽器未経験で入団を決めています。決め手のひとつに、“春のツアーコンサート”があげられると思います。

私たちは楽団の名称の通り、5つの美術大学の学生から構成されています。春のツアーコンサートでは、新入生歓迎のため、5つの大学を巡り演奏します。その際に、楽器の体験会を兼ねた入団説明会をしています。楽器の体験会は毎年大変好評を頂いており、先輩団員の指導のもと、初めて触れる楽器に目を輝かせる、多くの新入生の姿が見受けられます。
 

Q.初心者でも楽器を弾けるようになりますか?

弾けるようになります!!

五美管には、パートごとにプロの音楽家の方が専属トレーナーとしていらしてくださり、定期的にレッスンを受けられます。また、春休みと夏休みの年2回行われる5泊6日の合宿では、トレーナーさんからの指導を受けながら一日中自分の楽器と向き合います。合宿地は伊豆の山奥。近くに駅もコンビニもない、携帯の電波も届かない、世間から隔絶されたような地で、文字通り朝から晩まで練習に励みます。山籠もり状態ですから、逃げ出そうにも逃げられない環境ですよ(笑)
こうして、美しい自然に囲まれ、満点の星空の下ひたすら練習に励む合宿では、初心者はもちろん、誰もが大きな成長を遂げることができます。

また、この合宿の良いところは、演奏技術の向上だけでなく、団員同士の絆も深められることです。5つもの大学から学生が集まっているので、普段の練習に必ず全員が揃うのは難しいのが現実です。しかし、合宿で他大学の団員と練習を共にすることで、強い絆が生まれます。


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Q.活動内容を教えてください。

普段は武蔵野美術大学を拠点に、週2回の練習をしています。
演奏活動は、春のツアーコンサートと、芸術祭を巡る秋のツアーコンサート、そして一年間の集大成となるウィンターコンサート(毎年12月公演)です。ウィンターコンサートの際は、ロビーで団員による美術作品の展示も行っており、美大生ならではの会場になっています。
これらの定期的な演奏会以外にも、依頼を受けて演奏に赴いたり、映像系学科を専攻する人から「オーケストラの画が欲しい」と頼まれPVに出演したこともあります。依頼があれば、いつでも協力しますよ!!

今は、12月のウィンターコンサートに向け、ラストスパートをかけているところです。「東京五美術大学管弦楽団 Winter Concert 2014」は12月5日に公演します。このコンサートが他のコンサートと違うところは、音楽ホールで演奏ができるということです。ホールでの演奏は、普段味わうことのできない音の響きや広がりを感じることができます。団員もこの日は普段以上に一致団結し、演奏に臨むことができますし、一度このステージを経験してしまうと、虜になってしまいますね。

私たちは楽団のモットーとして「全員で演奏すること」を掲げています。入部したての1年生や初心者でも、自分が弾けるところはしっかりと弾き、弾けないところは他の人がカバーするというように、皆で一緒にひとつの曲を仕上げます。このおかげもあり、ウィンターコンサートを終えると、より団員同士の絆が深まるのを感じますね。


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Q.五美管に入団して得たものは何ですか?

多くの人とのつながりです。現役の5つの大学の学生はもちろん、歴史ある五美管には多くの卒業生がいます。先日の創立35周年パーティーではなんと100名以上の先輩が集まって、楽団の記念の年を祝いました!卒業しても五美管に愛着をもち、遠方からでもコンサートに来場してくださる多くの先輩方からは、社会人としてのお話などを伺うことができます。

彼らが五美管を愛し応援してくださるのは、五美管で過ごした4年間が有意義で、とても楽しい時間だったからだと思います。現役である私たちも、本当に楽しく、仲間と音楽に触れています。
美大生だからこそ、音楽のクリエイティブもより楽しめるのかもしれませんね。楽しみ方は人それぞれで、専攻の課題制作に追われる毎日からしばし息抜きのために音楽を楽しんだり、また音楽からインスピレーションを受け、音楽と美術を関連付けた作品を制作する人もいます。

このように、五美管に重きを置いた学生生活を過ごすことができるのは、やはり練習を共にし、合奏することができる大切な仲間たちと出会えたからですね。


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Q.今後の展望を教えてください。

もっと動きのある活動ができるといいなと思います。現状は、毎年恒例のスケジュールに沿った枠内での活動が主になっていますが、その枠にとらわれない活動がしたいですね。例えば好きな曲を持ち寄って演奏するとか、そこで楽譜がなければ作ればいいと思うんです。ただ残念なことに、こうしてようやく何かやりたいなと思った頃には団長を下の代に引き継ぐ季節になっているんですよね。
専攻とサークルの両立をうまく図り、自分のキャパシティを知って上手に仕事を振り分けながら、活動を広げていきたいですね。

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日時*2014年12月5日(金) 18時開場 / 19時開演
場所*ルネこだいら 中ホール
    (東京都小平市美園町1-8-5)
入場料*前売り500円 / 当日600円
曲* A.ドヴォルザーク / 交響曲第7番 ほか

チケットのお求めは団員もしくはtokyo5bikan☆gmail.com (☆→@)まで。
取り置きも可能です。

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インタビューを終えて

今回はなんと、現団長の寺嶋さんの他、前団長、次期団長という、3世代の団長さんに揃ってお話を伺うことができました。
音楽を愛する皆さんとのお話は、私も本当に楽しく、時間が過ぎるのがあっという間でした。取材の前に秋のツアーコンサートで素晴らしい演奏を聴かせて頂きましたが、その裏にはこんなエピソードや練習の積み重ねがあったのだなと感じながら、お話を伺いました。今年の集大成であるウィンターコンサート、がんばってください!!そしてこれからも仲良く、音楽を楽しみながら活動の幅を広げていかれることを期待しています!!

取材にお集まり頂き、ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!!

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