2014.11.26

文学の楽しさを伝えます。多摩美術大学 文芸部

インタビューに応じてくれたのは…
多摩美術大学 文芸部

今回は多摩美術大学文芸部の方々を取材してきました!!
多摩美文芸部は、月に1度開催する読書会と、芸術祭での部誌『T時B分』の販売を通して、文学の楽しさを「読む」と「書く」、2つの面から発信しています。
今回お話を伺ったのは、創設メンバーの伊能あずささん、他3名、現副部長の伊藤亜美さんです。
 

Q.文芸部を立ち上げたきっかけを教えてください。

大浦「もともと多摩美術大学文芸部は50年ほど前に発足したそうですが、その後部員が集まらず、事実上廃部となっていました。しかし、2年前に私たち日本画科で好きな本を読んで紹介する『読書会』を行う、文芸部を発足させました。一方で、油画科でも小説やエッセイ、詩などを執筆する、書く活動がメインの文芸部が誕生しました。読むことも、書くことも文学の楽しさだという共通の思いから、互いが合併して多摩美術大学文芸部が誕生しました。」
 

Q.現在の活動について教えてください。

伊能「現在も読む・書く2つの活動を継続して行っています。読むという部分では、毎月1冊課題図書を提示し、みんなで討論会をしています。課題図書は芥川龍之介の『藪の中』といった、短編小説が中心で、忙しい美大生でも移動時間や隙間時間に楽しめる作品を選ぶようにしています。討論では、作品への想像を膨らませながら、楽しく語り合っていますが、美大ということもあってか、いつの間にか美術と関連付けた話になることもあります(笑)。

また、書くという面では、毎年開催されている芸術祭にて、部誌『T時B分』を販売しています。時間をコンセプトにしたこの作品集は、毎年編集や装丁など自分たちの手でつくり上げています。3冊目となる今年は、“真夜中”をテーマに、各自小説やエッセイ、詩などを執筆しました。」


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Q.活動を通して嬉しかったことは何ですか?

伊能「発行している部誌『T時B分』に関するフィードバックがありました。初刊を発行した際に、読書メーターという読書家のSNSに『T時B分』のページが立ち上げられ、作品に対する感想が書かれていたのを見たときは、とても嬉しかったです。部内で作品に対する意見交換をすることはあっても、部外の読者の方の声を聴くことができる機会は少ないので、作品をつくる上での自信にもなりました。」


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Q.後輩へのメッセージ、今後の展望をどうぞ!

伊能「来年で私たちが卒業するため、創設メンバーが離れることになります。部として活動ができて嬉しかったですし、学ぶこともたくさんありましたが、ここから維持をして、新しい人に入部してもらうことの難しさも実感した4年間でもありました。これからも、文芸部としてたくさんの人に文学の読む・書く両方の楽しさを伝えられるような部活であってほしいです。また、私たちの代でできなかったことや新しいことにも、どんどんチャレンジしてくれればと思います。」

伊藤「まずは、先輩方がここまで築き上げてくださった活動を維持していくことが大切だと思います。また、まだ新しい部活なので、毎年発行している『T時B分』の販売網を広げるなどして、新しい部員や読者を増やしていければと思います。」

 

インタビューを終えて

文学はとても楽しいものですが、自分の世界に籠りがちになってしまう面もあります。しかし、文芸部として、みんなで文学の素晴らしさを共有することで、新しい世界が広がり、それが作品づくりにも繋がるのではないかなと思いました。これからも文学の良さをどんどん発信していただきたいです!

今回、インタビューにご協力頂きました皆様、ありがとうございました。

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