2014.11.3

美大生が伝えるアートの世界 フィールドワーク設計ゼミ

インタビューに応じてくれたのは…
多摩美術大学 芸術学科 フィールドワーク設計ゼミ

今回は多摩美術大学フィールドワーク設計ゼミのみなさんにお話を伺いました。
フィールドワーク設計ゼミは、様々な分野のアート情報を紙媒体「Whooops!」そしてweb媒体「タマガ」で発信しています。
今回お話を伺ったのは、ゼミ生の韓松鈴さん、宮坂咲紀さん、中村昴史さん、萬代とし栄さんの4名です。
 

Q.活動内容について教えてください。

韓「フィールドワーク設計ゼミの活動は、大きく分けて2つあります。
1つ目はフリーペーパー「Whooops!」。2つ目はwebマガジン「タマガ」の発行です。
どちらも様々な分野のアート情報を発信しており、Whooops!は多摩美術大学構内のほか、一部のギャラリー、美術館、美大予備校などに設置・配布しています。

私たちがつくる媒体は、一般的な情報紙とは異なり、ただ相手の話を聞いてそのまま伝えるということはせず、取材内容を1度自分たちの中で吟味し、話の真意を見極めながら文章を紡いでいきます。新聞の企画記事のレベルを目指しています。」
 

Q.フィールドワーク設計ゼミに参加したきっかけは何ですか?

萬代「もともとデザインや文章を書くことにとても興味がありました。また、紙媒体などを通して社会とつながることのできるゼミがここ、フィールドワーク設計ゼミだけだったので、雑誌や紙媒体の制作に挑戦したいという思いから、このゼミを選択しました。
自分の取材したいテーマを各自が企画書にして提出し、プレゼンして全体で意見を出し合いながら決め、取材のアポイントメントから記事の構成など、発行までのすべての業務を自由な雰囲気の中で体験できるので、とてもやりがいを感じています。」


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Q.取材において心がけていることは何ですか?

宮坂「担当の小川教授から『具体的に聞きなさい』とつねに言われています。私たちはただ人の話を発信するだけではないので、相手のことを深く理解しなければ、自分の考えと合わせて書くことができません。そのため、相手の話を聞くときには慎重かつ具体的な質問を心がけています。」

韓「私は客観的に物を見ることです。先日あるイベントの取材に行きました。そこのコンペティションで賞を受賞した作品について自分の言葉を伝えたかったのですが、審査員の方の言葉がとても強く印象に残ってしまい、作品を自分の言葉で表現できず、文章を書くのにとても苦労しました。
情報を発信する者として、周囲の意見をしっかり聞いて理解することはとても大切ですが、記者としての中立性を保つためにも、物事を客観視しなければならないと、改めて感じています。」


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Q.今後の展望について教えてください。

韓「多摩美術大学は都心から離れた場所にあり、芸術にどっぷりつかることができる場所です。しかしながら、本当に芸術を極めている人というのは芸術の分野以外のことにも積極的に触れ、社会とのつながりの中で作品のヒントを得ていると感じます。
そのため、私もアートとつながりながらも全く関係の無いテーマを取材してみたいと思っています。」

 

インタビューを終えて

取材にあたり、Whooops!とタマガの記事を拝見させていただきましたが、大学生が書いているとは思えないくらいクオリティの高い記事でした。また、普段はインタビューに応じないアーティストの方への取材もしており、様々な方の貴重な記事が満載です。
ただ取材相手の話を伝えるのではなく、バラバラになっている相手の話に自分の価値観や社会現象を合わせて、新しい文章として紡いでいくからこそ、美大生が作るフリーペーパーの中でも、その個性が際立っているのだと思いました。

今回ご協力いただきました、皆様ありがとうございました。フィールドワーク設計ゼミのみなさんの今後のご活躍を期待しております!

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