今回作品をご紹介するのは…
神戸芸術工科大学　Iさんのポートフォリオ

安定したデザイン力が見て取れるポートフォリオです。
個人の趣味を感じさせる作品も多いですが、意外とオールマイティに見せてくれます。

変な言い方ですが、きっと友達のうちで評判の良いデザインでしょう。いい意味で時代性が響いているデザインです。

■作品の中身

 

自身の展覧会ツールと言うことで、最も個性が出ていたかと思います。
フォント選び、レイアウト、画像のピックアップに今の時代を感じます。また、ポートフォリオページのフォーマットにもちょっとした文字位置の関係にセンスを感じます。

知人の名刺、ゼミのポスターとなっていますが、前のものとかなりテイストが近い気がします。本人のカラーが色濃く出た作品でしょう。
手で持った名刺の差し出し方、廊下に貼られたポスターのパースなど細かなところにセンスを感じます。

バレンタイン用チョコのパッケージです。
女性から女性へ贈るチョコと言う設定なので、前2点ピックアップした作品に比べるとやや温かみのあるデザインです。ダイヤのモチーフも単純化させシンプルになりました。

ここでもヨコ長見開きを意識した角版と切り抜きの位置関係が光ります。

牛乳のパッケージデザインです。ますますデザインの懐の深さを見せてくれます。
ポートフォリオ上のレイアウトはデータと写真を3つ並べていますが、これはミニマリズム的な遊びなのでしょうか。しかしこの場合、データをはずして切り抜き写真大きくした方がパッケージがよく見えます。

金をテーマにした書籍のブックデザインです。
ここに見られる情報だけでも興味深い書籍ですが、やはりもう少し中ページを紹介して欲しいところです。

 

■まとめ

作品をみても、Iさんは力のある方だと思います。掲載数も豊富でまとめ方もしっかりしています。
また一方で、自分のカラーを出しているだろうページもあるため、採用側としては自社に合う・合わないのジャッジがしやすいとも言えます。

ただ欲を言ってしまえば、ポートフォリオ全体としてもっと大胆な演出があっても良いかと感じました。逆にそうしないところが個性なのかもしれません。