文字をメインとして見せ方も上手い!【多摩美術大学 Yさんのポートフォリオ】
今回作品をご紹介するのは…
多摩美術大学 Yさんのポートフォリオ
文字の形などに対する興味を感じるポートフォリオでした。
文字を使うグラフィックデザインにおいて文字を作ったり、組んだりすることに時間をかけて経験することはとても重要です。そのことに真摯に取り組んできたことが分かる作品群です。
フォントのデザイナーを目指しているかどうか分かりませんが、違うとしても良い経験を積んでいます。
■作品の中身
日本語文字の形に着目したビジュアルブックです。
冊子自体の見開きをポートフォリオでも見開きで見せています。迫力のある画面作りになっていますね。意図した訳ではないでしょうが、ややトリッキーな体験を出来る作りになっていて面白いです。
幾つかピックアップされているページを見るだけでも興味深い感じがします。他のページも見たくなりますが、ちらっと見える表2、表3の文字の模様が気になって仕方ないです。
ここでは写真による掲載ですが、データで他のページを見せても良かったかもしれません。
オリジナルフォントの紹介です。下のフォントブックの写真も含めて白場が活かされています。
ポートフォリオは左から右へ進みますが、この見開きページ自体はタテ書きなので視線の動きは右から左へ進みます。視線の動きの逆行は、文字を読み込ませる時にはジャマになりますが、ここでは文字は一覧表として捉えられるので問題ないでしょう。
細部ですが、タイトル三方の囲みケイがシャレていますね。
再びフォントの紹介ページですが、こちらは見開きいっぱいに大胆な展開です。
フォント自体のユニークな形を意識してのことでしょう。円と線だけでユニークな和風フォントが出来上がりました。
前のフォントを使ったポスターです。
フォントの造形を見事に活かしたポスターです。色も3色に絞り力強いポスターになっています。
ポスターは3種類掲載されていましたので、掲出風景を3連貼りで演出するとより効果的だったと思います。
■まとめ
ここで取り上げたフォントブックやフォントに関しては、作品もとても興味深く、ポートフォリオ上の見せ方も充分効果的でした。
一方、取り上げなかった作品のコメントをして恐縮ですが、他の作品ではポートフォリオ上で何が作品の見せ場なのか分からないものがありました。作品自体のレベルなのかは分かりませんが、ポートフォリオで判断するのが面接ですから成功していないと言えるでしょう。もし満足いかない作品であれば割愛するのも作戦です。