今回作品をご紹介するのは…
武蔵野美術大学　Yさんのポートフォリオ

すべての作品が絵なので、イラストレーション、ゲームキャラクターなど画力を活かした就活のためのものでしょう。イメージにはとてもユニークなものもありますし、画面構成、アングルも悪くありません。描写力もある方だと思います。

ただ、それがポートフォリオとして活かされ切れていない点がありますので、各ページ見ていきましょう

■作品の中身

 

良い表紙です。まずイラストが良いですね。
キャラクターのユニークさも充分ですし、髪飾りからタコのグラデまでの配色も気持ちいいです。レイアウトもお上手です。

この表紙だけを見て問題はないのですが、ポートフォリオを一通り見るとこのジャンルの作品が他にないのが気になります。自信作なので表紙にしたと思いますが、この手のコミックスタイルで仕事を得たいのならこのタッチのイラストを増やさないといけません。

カラフルな配色が効果的なイラストです。

背景の黒や、影の中の花の色彩がミステリアスなゲームの雰囲気を盛り上げます。童話をゲームへとの事ですが、他の場面もあるのでしょうか？1枚の作品よりもバリエーションを見せた方が世界観は伝わりやすいです。

 

物語を感じさせる絵です。いろんな想像を喚起させられます。見たことがありそうな、なさそうな、微妙なイメージです。それだけにポーズ違い、アングル換え、部分のアップなどのバリエーションが見てみたいです。

これを含めて3連続で見開きが続きますが、ポートフォリオとしてみると迫力があって効果的と思います。

最後にデッサンから1枚選びました。
このぐらい描けていればポートフォリオに載せる価値はあります。描写力と観察力のアピールに役立ちます。

満足していないデッサンを自分のポートフォリオに載せる人がいますが、自分の不得意、欠点をわざわざ載せる必要はありません。

 

■まとめ

イラスト、絵画、デッサンともに上手く、器用な人だと思います。コツコツと描き込む作業も面倒くさがらずに丹念に取り組んでいる気がします。

しかしながら、本人はどのような仕事に就きたいと考えているかが伝わって来ず、とても惜しい気がしました。

イラストレーター志望であればもっとイラストを載せた方が良いですし、ゲームクリエイターなどデッサン力を見られる職種であれば、新しいデッサンをもっと載せるべきです。画家として作家活動に就きたいのであれば、オリジナルの絵画をもっと描かなければいけないでしょう。

とても力はある方ですので、希望する職種に攻めたポートフォリオ作りに挑戦して欲しいと思います。
 
 

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