個性的で完成度の高いイラストが豊富【愛知県立芸術大学大学 Oさんのポートフォリオ】
今回作品をご紹介するのは…
愛知県立芸術大学大学 Oさんのポートフォリオ
とても刺激的で個性的なイラストです。
幾つかのスタイルがありますが、それぞれが完成度が高く仕上がっています。
今後どれかのスタイルに絞って伸ばしていくのか、何種類かの方向で同時に描き続けるのか、とても気になります。成長を見ていたい作風です。
■作品の中身
ポートフォリオ用に描き下ろしたのか、以前の作品に文字を入れたのか?いずれにしろ、このスタイルが一番描きやすく多く描いているようです。
手クセに任せてどんどん描き進めてしまうのでしょう。オリジナリティ溢れるアイロニカルな世界をビビッドな色使いで描いています。70年代のサイケデリックな影響を受けているのか、影響を受けた人の影響を言わば孫受けしているのか分かりませんが、しかし、今を感じる絵です。
表紙と同じ世界観の絵ですが、主人公が違うせいかやや優しさを感じます。しかしながら、人魚のぶつ切りを食べていたりとブラックなイメージは健在です。
主人公は、サメを着ているのか、サメに食べられているのか、、。人の描き方に日本人離れした感じもしますね。
ポートレイトのタッチは前のものと似ていますが、ややパンキッシュな匂いがします。色使いも個性的です。
ハレーションを起こしそうな色使いをスミの線で回避しています。
他のものに比べると、ややあっさりと描いていますが、そこがまた別のタッチでもいけるというアピールになります。ダブルトーン風の色彩がいいですね。
この絵は圧巻です。驚きました。
全体で見えるカエルのフォルムも大胆で良いのですが、細部を作り上げている細かな要素がまた素晴らしいです。他の絵に見るようなキャラクターたちが遊んだりしつつ、全体のフォルムを助けるポーズに作り上げています。
一種のゼンタングルでしょうか。要所要所に見られるコラージュ的な手法、例えばカエルの口を作るがま口サイフ、目を作るスクーターなどの使い方も小気味がいいです。
■まとめ
イラストとしては最大級の評価をしたいと思いますが、ポートフォリオとしては少し困ってしまいます。
というのも、絵があるだけで何の情報もありません。これでは作品ストッックになってしまいます。作品を見てもらえば分かるからと言う事かもしれませんが、キャプションを加えたり、制作過程や展開例を加えることは就職活動におけるポートフォリオでは必須と言えます。
現状の世界観を維持しつつ、最低限のルールでポートフォリオに仕上げて欲しいと思います。きっと、もっともっとよく見えます。