東京造形大学 Yさんのポートフォリオ
今回作品をご紹介するのは…
東京造形大学 Yさんのポートフォリオ
アイディアへの落とし込みが良く分かるポートフォリオです。
製品もなかなかモダンでかっこいいデザインです。全体を見てみると色々と作品の良い点が見つかります。
しかし一方でポートフォリオとしての困った点も見つかりました。
作品の中身
傘をまとめずに横に整列させ見せて置く傘立てです。
傘立てのCGがやや不自然ですが、背景のぼけた空間と合わさると迫力ある画像に仕上がり気になりません。このページは前面写真で登場感のある作りになっています。
この手前に、製品CGのみの扉ページと、問題点発見の従来の傘置き場のページがありますが、このページを最初に持って来た方が良いでしょう。
プロダクトデザイナーの人は、問題点、アイディア、モックアップなどのステップをきちんと踏んで作業する習慣があり感心します。グラフィックやWeb系の人は見習って欲しい点です。
ポートフォリオのページとして見てみると、アイディアスケッチが小さくて見づらいのと、上のタイトルが大き過ぎて気になります。下のステップを表示した帯もグレーなのが気になります。
1人暮らしの方のために、片付けるのではなく、その場に置いておけるヘアドライヤーです。
さりげない小さなアイディアですが他の製品と大きな差別化を作ると思います。モダンなデザインです。
このページの前に製品を大きく扱ったイメージ写真のページがあります。そして、さらにその前に文字のみの扉ページがありますが、このページは不要でしょう。文字はイメージ写真と一緒にしましょう。
ドライヤーのアイディアスケッチのページです。
ちょっとしたキャプションが添えてあり試行の経過が良く分かるページです。下の写真はキャプションがないのでやや意図が分かりづらいです。
緊急時にすぐ使えるように、部屋の中に置けるハンディライトです。
その問題点から形づくりまでのステップを表しています。細かなグラフィックデザイン上の問題は無視すると、分かりやすくとても良いと思います。効果的です。
しかし、問題はポートフォリオを1冊の本と捉えると現れて来ます。他の作品のページと共通のフォーマットがないのです。ページとしての基本フォーマット、構成上の順番などの小さなルール、こうしたところにも気を使うと良いでしょう。
問題点から切り込んで自分なりのコンセプト立案をして製品へと落とし込んで行く過程が各々良く分かるポートフォリオです。
製品も秀逸なデザインがいくつもあると思います。なので、手放しに褒めたいところですが、ポートフォリオとしての問題点がいくつかあります。
一番大きなものは全ページに共通するフォーマットがないことです。その他にレイアウトや文字の大きさも問題もあります。