世界観以上に本人の信念を感じさせられる【多摩美術大学 Cさんのポートフォリオ】

今回作品をご紹介するのは…
多摩美術大学 Cさんのポートフォリオ

人によって、就活に対する考え方は違うでしょう。

デザイナーになっても好きな仕事に関わりたい、仕事だから何でも出来るようになりたい、、。
その考え方もポートフォリオに現れてきますし、遠慮なく現して良いのです。

その1つのスタイルがこのポートフォリオです。


■作品の中身

 

母校のオープンキャンパスのポスターとプロモーションツールは、ショッキングピンクが目を引きます。

しかしCさんの場合、それ以上の意味があっての「ピンク」だそうです。大好きなのです。

ポートフォリオもピンクだらけ。これでいいのか?と思う方も多いでしょう。大丈夫、これはこれでとても効果的です。アリです。



非個性的社会で生きる個性派の人を励ます本となっていますが、要は自分がどれだけピンクを好きかを語った自己アピールです。これがずっと続きます。ただのコレクション紹介ではなく個性派としての生きづらさの葛藤が軽いタッチで語られます。

細かい部分を付け加えておくと、自分の写真と小物類の写真をヨコの見開き展開で並べているのは上手いレイアウトです。



ポートフォリオ上の演出なのか、実際に暮らす部屋なのか、見事なピンクの部屋です。
ここまでの徹底したピンク好きであれば、ポートフォリオの作り方として今回のような手法は充分に強い武器になります。(もちろん全ての企業で暖かく迎え入れられる訳ではないと思います)



作品は変わってオリジナルフォントですが、またもピンクです。
なぜキスマークなのかと言うコンセプトや、フォントブックのアイディアも、多少無理があるものの楽しく考えられています。ここまでくると、Cさんにとても好感が持てて来ます。



キスフォントの使用例として、シャツの襟元にイニシャルをプリントしてキスマークに見えるキスシャツです。
なかなかシャレの効いたアイディアで感心します。
シャツの見せ方が、あえてきちんとクリーニングのアイロン仕上げで襟元が目立つようにしてあるのも良いですね。



100均のリーズナブルなメイク用品に、コピー品のようなパッケージでなく、オリジナリティを持たせようと言う試みです。
もちろんピンクです。本当に徹底しています。素晴らしい!

 

■まとめ

賛否分かれるポートフォリオかもしれませんね。しかし、私は好きです。一緒に働いてみたいと思います。

全体を見れば基本的なスキルはあるように思えます。パーソナリティの表現としては100点だと思います。それは、ピンクが好きということが分かるという意味ではありません。企画力、ユニークさ、そして実行力が伺えます。

細かな点で気になるところはありますが、それ以上のインパクトのあるポートフォリオです。
 
 

 

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